空室対策の選択に迷うことがありませんか?今月は「空室対策の三つのチェックポイント」と「選ぶ基準」について考えましょう。

1.募集方法をチェックする

まずは「募集が適切に行われているか」です。もし、問い合わせや内見希望が少ない時は、インターネットの掲載状況をチェックします。写真の枚数や質、間取図や説明文が十分なレベルなのに問い合わせが少ないなら、賃料等の条件の再検討が必要かもしれません。反響はあるのに案内しても決まらないなら、お部屋の現場に改善ポイントを探します。家具や照明器具やカーテンなどをセットすると、お客様にお部屋の価値を高く感じて頂けます。

2.募集条件を再検討する

家賃の1~2ヶ月分の費用を販売促進にあてると、いくつもの募集条件を検討出来ます。「最初の1~2ヶ月の家賃を無料に」というフリーレントや。「入居費用はゼロに」といった条件です。

3.付加価値アップを考える

家賃の1~2ヶ月分の費用を「お部屋に投資」することで、付加価値を上げることが出来ます。エアコン等の設備追加で便利性や快適性を引き上げる、収納を増やす、クロスにアクセントをつける、水回り設備の表面を化粧直しする、などの付加価値アップが可能となります。

では、これらの手段のどれを選択すれば良いか、について考えてみましょう。オーナー様の賃貸経営の目的は「空いている部屋を埋める事」でしょうか?そうではありませんね。賃貸経営の目的は「収益を増やす」「キャッシュフローを確保する」ことです。仮に動機が税金対策であっても「収益はどうでもよい」ということはありません。空室対策を検討するときは、「部屋が決まるか」という判断と、もう一つ、「収益はどうか」という検証が必要なのです。例えば以下のような選択に迷ったとします。

「家賃を5,000円下げるか」「25万円を投資するか」

どちらも1ヶ月で決まると仮定したら、簡単なシュミレーションで、どちらが「収益を増やすか」を検証してみるのです。計算式はとてもシンプルです。

収入-運営費=収益

この単純な計算式で4年間の収益を計算してみます。例えば、6万円の家賃から5,000円下げて決まったとしたら

55,000円×48ヶ月=2,640,000円

この期間の運営費が100万だとすると

2,640,000-1,000,000=1,640,000円

これが4年間の収益です。経理上では、ここから支払利息や減価償却費を加減するのですが、単純な「物件の収益力」なら、この計算式で十分に把握できます。次に25万円を投資して6万円の家賃で決まったとします。

60,000円×48ヶ月=2,880,000円

運営費+投資額を差し引くと

2,880,000円-1,250,000円=1,630,000円

結果として収益は同水準になることがわかります。

しかし値下げ策は他の入居者さんの家賃にも影響して、結果的に全体の収入減を誘います。一方の25万円の投資は、回収の終わった4年後も物件の価値を維持してくれます。同じ収益なら「25万円の投資の方が良い」という結論になるはずです。

次に、25万円の投資を「どこに使うか」という選択が残ります。エアコン等の設備だけでなく、フリーレントや「入居金ゼロ」にも使えますし、「業者へのインセンティブ」にも回せます。「ペット専用設備」にも活用することが出来ます。どの方法が、お客様に一番選んで頂けるのか、そして、オーナー様の望む借主に興味を持ってもらえるのか。これらを想定するしかないので完全な正解はありません。でも正解がなくても、常に検証して、結果をみて、次の判断の材料にしていくという経営姿勢が大切だと思います。

繁忙期の最中ですが、明確な判断基準の元に対策を決めて、しっかりと実施して頂きたいと思います。