賃貸経営に役立つ書籍の紹介

賃貸トラブルの対処方法を実例で解りやすく説明した書籍を紹介いたします。この本の前作「助けてクマさん!賃貸トラブル即応マニュアル」から8年が経ち、本書は待望の続編となります。賃貸経営をされるオーナー様と現場のスタッフ向けに書かれた内容は、100%が著者の実体験に基づいていますので、評論家が書くモノとは一線を画しています。本書の中からクマさんのメッセージをいくつか取り上げてみることにします。

テナント・リテンションが重要

テナント・リテンションとは「入居者を大切にする」と訳せますが、入居者さんに長く暮らしてもらうことがオーナー様の収益につながり、結果として「オーナー様を大切にする」ことになるという考え方です。オーナー様にとって空室を早く埋めることは重要テーマであり、部屋が決まったら「戦いは終わった」と安堵される気持ちはわかりますが、今度は「長く住んでいただく戦い」が始まると考えて、退去されないようにすることが大切です。賃貸経営では、「空室対策」と「テナントリテンション」は車の両輪のような関係であり、片方だけに重点を置くと上手くいかない原因になります。

相続だけでなく承継対策も大事

親が所有していた物件を相続で手に入れたのに「アパート経営なんてやりたくない」という方が意外と多くいます。原因は生前に「なぜ賃貸経営をしているのか」や「賃貸経営のメリット」について親子で話し合ってこなかったことにあると思います。「うちの親父はアパートで苦労したから自分は二の舞になりたくない」と仰る方もいました。相続対策も大事ですが、元気なうちに賃貸事業の承継を円滑に行う「承継対策」が重要なのではないでしょうか。新たに物件を取得したり、長期にわたるテナント契約を締結する際には、相続されるお子さんが同席されることをお勧めしています。親子の話し合いの場を持つことが大事です。

クレームでなくサービスリクエスト

クレーム処理のことをサービスリクエストと呼んでいます。クレームを「苦情」や「言いがかり」と捉えないで、物件の価値を上げるための改善リクエストなのだ、と考えています。入居者さんからのクレームに応えて改善を繰り返すことで、オーナー様の施設が良くなり、賃貸管理の質も向上して、長く住んでいただける物件になっていきます。

一次対応の重要性

苦情を受けたときの管理スタッフの一次対応では「電話の指示のみで解決方法を伝える」ことを目指します。電話で片付くことなのに慌てて業者を手配してしまうと、オーナー様の出費を増やしてしまうこともあります。一次対応をしっかり行うことで「入居者さん」「オーナー様」「管理会社」の三者にメリットがあるのです。

クマ流トラブル別対処法

本書のメインとなるのがトラブル別対処方法です。クマさんトラブルを4つに分類しています。

①物的トラブル(建物や設備が原因で起こる)

②人的トラブル(入居者の起因で起こる)

③生き物トラブル(シロアリや蜂などの被害)

④自己原因トラブル(管理スタッフの対応の悪さ)

これらについては本書なのかで、大きくページを割いて対応方法を伝授しています。それらを紹介する紙面は残っておりませんので、是非ご購読して頂きたいと思います。管理スタッフにとっても大いに勉強になる1冊でした。