これもサブリース?

今回は、私が経験した中で感じた「警察との連携」について書かせて頂きます。

賃貸管理の仕事は警察のお世話になる事が結構あります。多いのは「空き巣被害の届け出」と、「安否確認の立会」ですが、そのほかにも建物内での事件発生、暴力団的な人物の照会等のイレギュラーケースもあります。また、交番のお巡りさんと仲良くしていると、物件の敷地内に無断駐車された場合など、「私有地内は関与しないけど車の所有者に伝えておきますよ」なんて感じで協力してくれる事もあります。

そんな事から警察の方とは仲の良い関係を作っていますが、交番のお巡りさんと違って、刑事さんの場合は驚くようなお願いをして来る事があります。数年前の出来事ですが、刑事さんが「捜査関係事項照会書」という書類を持って来店されました。通常の聞き込み程度だと、身分証明書の確認だけですが、この書類を出される場合は、捜査が進んでいる案件だなと推定できます。話を聞くと、当社が管理している1Rアパートの105号室を捜査目的で貸して欲しいとのことでした。てっきり、空いている部屋を借りたいのかと思ったのですが、この物件は満室中で入居中の部屋を借りたがっているのです。

「この部屋は賃借人がいますから貸せませんよ」と断ると、「知っています。ここ5日間確認していたのですが、使用している様子がないのです」と刑事さん。さすがに捜査済のようです。「使っている様子が無くても入居者さんがいますから無理ですよ」と言うと、「そこは入居者さんと大家さんには警察の方で責任持って交渉しますので」と引き下がりません。刑事さんがすごく丁寧な感じで頭を下げてきたので、まずは私の方から入居者さんに電話して、「警察の方が部屋の件でお話があるそうです」と伝えると、驚いていらっしゃいました。管理会社からの突然の電話でこんな事を言われたら、やましい事が有っても無くても身構えてしまいますよね。私は「捜査に協力して欲しくて部屋を一時的に借りたいという話ですので電話代わりますね」と言って刑事さんに代りました。

その話を傍らで聞いていましたが、トイレ程度しか使わないとか、協力金的なお金の話とかリアルに説明していました。刑事さんによると、入居者さんは他県で行われているプロジェクトの準備の為、1ヶ月近く出張予定なのだそうで、その期間中だったら貸しても良いとの結論になったそうです。大家さんには刑事さんが訪問して承諾をとってくれたのですが、大家さんも喜んでいたので、何らかのお金が警察から出たのかもしれません。突然のサブリース(転貸)契約に、入居者さんも大家さんも喜んでいたのが印象的でした。

2週間後、刑事さんが合鍵を返しに来店された際に、「犯人は捕まったのか」と聞いてみたところ、「捜査に関する質問には答えられない」と冷たく言われてしまいましたので、何の捜査だったのか未だにわかりません。いろいろと話を聞いた後に、捜査対象が逃げちゃったなんて事があったら、こちらが情報を漏らしたと疑われかねませんので、深追いは禁物だと悟りました。

賃貸管理の仕事では、個人情報やプライバシーに関しての情報を多く取り扱います。軽々しく入居者さんの個人情報を伝えるべきでは無いことは言うまでもありませんが、警察との関係を大切にしておく事は、いざという時のトラブル解決に役立ちますので、日頃から協力関係を構築しておくように努力しています。